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第三十六話 白人文化事情

 カナダにいる息子から聞いた話をいくつか紹介します。
 ある日息子が、ビクトリアでバスに乗っていると、前の席に座っている白人女性のうなじに違和感を感じました。どうせありふれたタトゥーだろうと思いながらも、よく見ると、そこには漢字で1文字「姉」と彫ってあったそうです。息子は思いました。「たぶんこの人は『お姉さん』なのだろう。当然彼女の兄弟姉妹のうなじにも「弟」または「妹」と彫っているに違いない。もしかしたら両親から祖父・祖母に至るまで、家族全員のうなじには各々の立場を彫っているのかも知れない。何と分かりやすい家族なんだ」と。
 次はある白人男性の話。その男性は、自慢げに話しかけてきました。「君は日本人だろ?俺のとってもクールなタトゥー見るかい?」彼はニヤリと笑いながら腕をまくり上げました。その腕に彫られた文字を見ると、なぜか「朝鮮」の2文字。「どうだいクールだろう!」押しつけ自慢の彼に、息子は聞きました。「なんでコリア?」彼は戸惑いながら「え?コリア?この漢字は『challenge』という意味じゃないのか?」「ちがうよ。『Challenge』は漢字で『挑戦』って書くんだ。どっちも『チョーセン』て読むけどね」彼は頭を抱えて叫びました。「オーマイガッ!なんてこった!なんでコリアなんだ! これはタトゥーだぜ、消えないんだぜ!オォ」 彼は、これ以上落としようのないほど肩を落としながら去って行きました。その後ろ姿を見ながら、息子はつぶやきました。「語意を調べて彫れよ。」
 先日、私がこの話を友人にしたところ、その友人も、白人の変なタトゥーを見たことがあるとのこと。それは「便所」の2文字。ウソのようでホントの話だそうです。世界が認めた文化・クールジャパン。日本の漢字も、もてはやされているようですが、海外の皆様、「語意」には御用心ご用心。
 そんな陽気で呑気なカナダ人ですが、こんな話もあります。息子の日本人の友人が、出かけ先のバンクーバーから自宅のビクトリアに戻ろうと、フェリー乗り場行きのバスに乗りました。ところが、どうもバスの向かう方角が違うようです。友人は不安になり、運転手(白人)に尋ねました。「このバスは港には行かないの?」運転手は「港には行かない。フェリーに乗りたいのか?」友人「そうなんだ。そのフェリーに乗らないと、今日中にビクトリアに帰れないんだ」運転手は友人の顔を見て「お前は日本人か?」友人「うん」。すると、運転手はおもむろにバス会社に電話をかけ、「いまから困ってる日本人の乗客のために、ルートを変更してフェリーポートに寄る」それだけ言うと電話を切り、今度は車内アナウンスを始めました。「みんな聞いてくれ。バスを乗り間違えた日本人が、フェリーに間に合わないと困っている。だからちょっと遠回りになるけど、これからフェリーポートを経由する。すまない、協力してくれ」乗客たちは「そりゃしかたない。いいぜ」と、ひとつもクレームはありません。やがてバスは無事、港に到着しました。友人は降り際に、再度運転手に礼を言うと、運転手は笑いながらひと言、「俺のワイフは日本人なんだ。日本人、大好きだぜ」・・・という、話でした。
 日本では考えられない、ハリウッド映画みたいなイキな話です。おおざっぱで、よ〜ら(久留米弁で「いいかげん」)な連中の社会ですが、こんな「プチ感動ストーリー」も普通に混在しているのですね。
 余談ではありますが、カナダでもアジア人、いや全ての有色人種の中で最も信頼され、好感をもたれているのが、外でもない日本人だそうです。日本人のみなさん、もっと自信と誇りを持ちましょう!

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