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第五十一話 もうひとつのラーメンフェスタ

 先月(11月15~16日)開催された皆様ご存知のラーメンフェスタ。
「ラーメンイベントとしては全国最大規模」と言われるこのフェスタも今年で五回目となりました。
今回は、例年の広大な『百年公園』から、街のド真ん中の『六角堂広場』に会場を変更しながらも、二日間で延べ十万人(会場五万・周辺商業地区五万)の方にご来場いただきました。ありがとうございました。
 さて、このラーメン大イベントの裏で、実は同じ日にもうひとつのラーメンイベントが市内で開催されたのです。場所は久留米市立南小学校体育館、企画運営は五年生全員。そう、三年前のこのコラムで取り上げた小学校の、全国でも珍しいラーメン学習の発表会です。
今年はその発表会に何と!折からテレビロケために来久されていたラーメンチャンピオンの武内伸氏、そしてご存知ガチンコの佐野実氏が現れたのです!
 場内騒然。特に佐野氏が会場入り口に姿を現した瞬間、体育館中の子供たち151名が歓声を上げながら一斉に駆け寄り、氏を取り囲みました。まるで金八先生のオープニングシーンそのまま。お母さんたちはここぞとばかりカメラのフラッシュ責め。南小学校体育館は、TV局の取材カメラが回る中、もはや六角堂のイベントステージ以上の盛り上がりを見せながら子供たちのラーメンの学習発表は続きました。4クラスがそれぞれの班に分かれて、いままで学んだ地元久留米のラーメンの研究成果を『ラーメンCM』というかたちで発表し、数日前に家庭科室でつくった(この時のゲストティーチャーは、去年のTVめんたいワイドで『覆面店長』を演じたS和亭の店長)自分たち創作ラーメンをビデオで紹介するという、それはそれは本格的なプログラムでありました。
 佐野・武内両氏は一生懸命に発表する子供たちのけなげな姿に感銘したのか、深くうなずくこと暫々。
 発表後の、両氏への質問コーナーでは一斉に手が上がり、「テレビではいつもコワイ佐野サンがボクたち相手に苦戦している!」と、子供たちは大喜び。
 やがて発表会が終了し、両氏が体育館を出たとき、突然女の子が駆け寄ってきて「ありがとうのことば」を伝え始めました。直立不動でじっと聞き入る両氏の姿には、それこそ今までテレビでも、僕個人との付き合いでも見たことのない、緊張でもない放念でもない、なにか透明なものを感じました。
 翌日、両氏は最後の久留米市内ラーメン店数件のTVロケを何とかこなし、そのラストシーンは久留米城跡石垣をバックにコメントして終了。そのラストの両氏のやり取りを、ロケに立ち会った僕の記憶から要約してお伝えすると~
 ・佐野氏 「久留米はいい街だね。さすがにラーメンの街だね」
 ・武内氏 「そうですね。小学校までもが(街の産業として認め)ラーメンを授業に取り入れているというのは、全国でも久留米ぐらいじゃないですか?」
 ・佐野氏 「そうだね。番組の趣旨とは違うけど、今回のロケで一番印象に残ったのは、やっぱり南小学校だね。あの子たちの中から凄いラーメン屋さんが出るといいね。将来楽しみだね」
 ~といったやり取りでした。
 その日の夜、屋台で酔った佐野氏は僕につぶやきました。
 「体育館の外で、駆け寄ってきたあの女の子の言葉を聞いてたら、俺、涙出そうになったよ…」と。

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