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第四十八話 異星人“風見ブタ”参上

 汁宮麺次郎(しるのみやめんじろう)
 「おい麺次郎!このところ“異星人”としての話がないではないか!」というお叱りをいただきそうなので、今月は久々に僕の近況報告をいっちょ。
 こんな僕にも最近恋人ができました。そのひとの名は“風見(かざみ)”さんといいます。
風見さんは、女性・年齢不詳・出身は何と、僕の星のとなりの“惑星チンタン”です。職業は“星間バイヤー”という、いわゆる“買い付け屋”さん。彼女の星のエネルギー燃料である“清湯(ちんたん:澄んだ)スープ”の買い付けで、銀河の星々を訪ね廻る仕事だそうです。
 彼女の容姿は、前から見ると厚さ五ミリくらいのフツーの鉄板にしか見えませんが、横から見るとただのブタ。また、彼女のシャトルは全長わずか六〇センチほどしかなく、地球で言う“矢”の形をしているので、そのシャトルの上に四つ足で乗ってる姿は、遠目では地球の風見鶏に似ています。
 彼女はその姿が地球では完璧なカモフラージュと思っているらしく、いつのまにか僕の秘密基地であるTラーメン合川店の時計台の屋根のてっぺんに住み着き、風に向かってクルクル回りながら、地球の清湯スープ探索に専念してるようです。
僕はそんな彼女の美しい姿を下の百葉箱から眺めつつ、幸せな日々を送っていました。
しかし、ある日のことです。突然彼女がウル目で僕に訴えました。
 
 風見さん:「麺次郎さんのウソつき」
 僕:「どげんしたと?」(久留米に半年いると異星人も訛ってしまう)
 風見さん:「あなたが“ここ(地球)はスープの宝庫だよ。白湯(ぱいたん:とんこつ スープ)も清湯もサウジの油井から吹き出す原油の如く溢れてる”って言ったじゃない」
 僕:「うん、そげん言うたばい。ほんで?」
 風見さん:「でも何よここは!右を見ても左を見ても、白湯ばっかし。このまま手ぶらで帰星しろっていうの?もう麺次郎さんなんかキライ!」
 僕:「ちょ、ちょっと待ってんねやん」
 ~駆け出そうとする彼女のシッポをつかみながら~
 僕:「あのっさい、ここはっさい、クルメっちゅうとこでっさい…」
 風見さん:「あなたの言葉、ワケわかんない」
 
 彼女はシッポをふりほどき、そのまま矢型シャトルに飛び乗り、雲の彼方へ飛び去ってしまいました。
 この、よくある(?)男女の別れのシーンは、七月の風の強い日のことでした。
 その日以来、僕は毎日彼女が消えた雲の彼方を見上げながら、彼女に再び会える日を夢見ています。