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第三十九話 ドラマの中のラーメン屋

 先日、僕の一番好きなTVドラマ“北の国から”が最終回を迎えてしまいました。21年も続いたこのドラマの熱烈なファンは多く、皆さんも僕同様、とても名残惜しい思いをしてることでしょう。“北の国から”シリーズには、その長い年月のなかで数々の名シーンがありました。その中のひとつ“北の国から’84夏”より僕が印象に残ったシーンを、つたない記憶のままに紹介させて下さい。
 
 (シナリオ調で)~ある夏の日の夕暮れ時。兄の純と妹の蛍はまだ小学生。二人は父・五郎と三人で、閉店時間間際のひなびたラーメン屋のテーブルに座っている。五郎がラーメンの注文を終えると、わずかな沈黙が流れる。薄暗い店内には、やる気のない女性店員一人と客の五郎たち三人のみ。テレビの音だけが無機質な音で流れている。
 先刻より元気なくうなだれていた純が静かに喋り始める。
 純「父さん、ごめんなさい…。最初に(事故を起こした)イカダに乗ろうと言い出したのは僕の方で…」
 純は五郎に隠していたことを、懸命に涙をこらえながら告白し始める。五郎は黙って聞いている。店員がラーメンを持ってくる。
 店員(迷惑そうに)「もう閉店の時間ですから早くしてくださいよ」
 投げやりにラーメンを置かれて、五郎はぺこりと頭を下げる。五郎と蛍はラーメンを食べ始めるが、純はうつむいたまま話を続けている。店員はカウンターに座って退屈そうに煙草をふかしている。
 純「それから…(友人の)パソコン雑誌を黙って持ち出したのも僕で…」
 純はまだラーメンに手を付けず、告白を続ける。涙があふれている。
いつしかテレビが消され、三人の帰りを促すように店内の電気が消される。三人はわずかな明かりの下でテーブルを囲んでいる。
 純「僕は卑怯で…」
 純の涙が床にこぼれ落ちている。五郎は、自分もかつて純から「父さんは最近パワーがなくなった」と指摘され、そのことで気づかせてもらったことを素直に純に伝える。
 そこで店員が、うんざりしたように言う。
 店員「ねえ、まだですか?」
 五郎は再度店員に頭を下げる。蛍が兄をいたわるように優しく言う。
 蛍「お兄ちゃん、食べよう」
 ようやく純はのびたラーメンを食べ始める。しかし涙でのどを通らない。五郎は店員を気遣ってポケットから小銭を取り出し、先に勘定を済ませる。
 すると店員は食べ終わってない純の丼をいきなり下げようとする。そんな店員に、静かな五郎が初めて興奮する。
 五郎「こ、子供がまだ食ってる途中でしょうが!」
 驚いた店員は、思わず丼を床に落としてしまうが、そのままプイと立ち去ってしまう。店員がいなくなった暗い店内。三人は床にしゃがみ込み、割れた丼を片づけている。妹は兄を、そして父親は息子をいたわるように…(テーマ曲IN F・O)
 いかがでしたか?皆さんはこのシーンを思い浮かべながらどう感じました?

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