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第三十八話 函館・塩ラーメンサミット・その4

 かくして、久留米からやって来たペテン師に煽られた(?)地元函館の有志たちは立ち上がりました。委員会の発足です。その名は“函館塩ラーメンサミット実行委員会”。
 委員長には函館製麺組合理事長の宮川照平氏が選任されました。当初はわずかなメンバーで発足したこの委員会も、町を活性化したい一心で東奔西走する岡田さんや宮川さんたちの情熱に打たれたのでしょう、日を追うにつれメンバーは次第に増えていき、その数約50人という、町中のあらゆる業種を巻き込んだ大所帯の委員会になりました。
 やがて、その年の11月、久留米のラーメンフェスタ会場に函館の委員会の視察団が大挙して訪れました。それも何と函館市長の親書を携えて!その親書は、フェスタの会場で函館の宮川委員長によって久留米の白石市長の手に華々しく手渡されました。そうです、この列島南北の二つのまちに、ついに行政交流がはじまったのです。ただし、この函館の視察団が久留米のラーメンフェスタ会場で目の当たりにしたものは、2日で10万人という、空から見れば巨大な怪物のような群衆と、長さ数百メートル・待ち時間6時間という人気ラーメン店に並ぶ怪物の尻尾のような長蛇の列でした。視察団はただ呆然、ひたすら唖然。視察団にとって久留米の視察は、「これから自分たちがやろうとしていることはトンデモナイことかも知れない」という恐怖感を抱かせる結果となってしまったようです。
 しかしながら!函館に戻ってからの委員会は、久留米で体感したその戦慄を、逆にエネルギーにして、それこそ“まちおこしの鬼”と化したのです。そんな鬼たちの大所帯委員会ですから、意見は十人十色、その議論は常に白熱した激論となり、本番ひと月前に訪れた僕の方が戦慄を感じるほどでした。
 そして今年の5月24日、ついにその日がやって来ました。開催期間3日間、2会場にラーメン店15店舗という久留米の規模を越えた“函館塩ラーメンサミット&函館塩ラーメンフェスティバル”は、白石勝洋久留米市長の親書が井上司函館市長の手にしっかりと渡されて開幕し、来場者3万7千人という北海道最大のラーメンイベントとして道内の話題を独り占めしながら大成功のうちに幕を閉じました。最終日の打ち上げでは、函館の委員会メンバーは皆、感動して泣いていました。いい歳したオジサンたちが、手を取り合って顔をクシャクシャにして泣いている姿を見て、久留米のペテン師も思わずもらい泣きでした。思えば、熱海の温泉で偶然出会った函館と久留米のラーメン屋のオヤジの世間話が、2つのまちの民間交流を生み、いつしか行政交流へと発展し、南国から北国へと巨大なフェスティバルを伝播させてしまったのです。
 “ラーメン”のパワーって、何なのでしょう?僕自身、怖くなるときがあります。