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第五十八話 映画「めんたいぴりり」撮影絶好調

 去る3月3日にクランクインした映画「めんたいぴりり」。ご存知、味の明太子「ふくや」の創業者・川原俊夫氏をモデルにした映画だが、実は私、この映画には少なからず縁がある。まず制作・著作がテレビ西日本(TNC)、ここは7年前私が原作を書かせていただいた映画「ラーメン侍」の制作の際にお世話になった放送局。またスタッフも両映画とも数人重なっていて、中でも「めんたいぴりり」の江口カン監督は「ラーメン侍」のトレーラー(予告編)等を担当してくれた。
 さらに昨年の11月、私はたまたま博多のある祝賀会で、現在の「ふくや」の会長・川原正孝氏(俊夫氏の三男)と同席させて頂いた。その席で「うちのKITTE博多店限定メニューで『ふくや』さんの明太子にはお世話になっております云々」という旨をお伝えしたところ、氏は大変喜ばれ、数日後には私の元へ明太子が届いた(神対応!)。
 そして何と言っても、私は「博多華丸大吉」の大のファン(笑)でもある。これはもう、映画「めんたいぴりり」を応援しない理由はどこにもない。そこで私は旧知のTNCのある役員さんに連絡し、映画への協力をさせて頂きたいという思いを述べた。役員さんは願っても無いとばかりに「よければ、3月24日に八女でロケがありますので、そこでスタッフとエキストラの昼食として本物の大砲ラーメンを(無料で)提供して頂けたらありがたいのですが・・・、可能ですか?」と訊かれ、私は快諾した。
 テレビの通常の取材撮影とは違い、映画の撮影、特にエキストラが参加するロケとなると有に100人以上の関係者が集まる。この日は山笠のシーンで、実際の「中洲流」のメンバーが参加するという。従って大砲は120食のラーメンと什器・機材を準備し、4人のスタッフで対応することにした。
 さて当日は、数日来の冷雨は完全にあがり、晴天のもと絶好のロケ日和であった。八女の福島酒造さんのご好意に甘え、そこの裏庭にラーメン提供ブースを設置させて頂いた。昼食時になると、スタッフや山笠のエキストラの人たちが代わる代わるやってきて、ブースの前には行列ができた。「ふくや」の川原会長も締込み姿で顔を出され、ラーメンに舌鼓を打って頂いた。そのとき会長が中洲流の男衆たちに「中○の大砲じゃなく、久留米のこれが本物の大砲ぞー、うまいぞー」と言われ、男衆は「わかっとりまーす」と・・・。そんなやり取りを私は嬉しく、そして有り難く思った。
 やがて準備したラーメンも出尽くしたので、ブースを片付け終えたのち、大砲スタッフにロケ現場を見学させることにした。そこは白壁の町屋が連なる、昭和の風景が見事に残された通りであった。おそらく昭和20年代の博多の街を走り抜ける追い山のシーンを撮るのであろう、締込み姿の男たちで溢れている。メガホンを持った助監督が大声でエキストラの動きを支持し、その周りには録音・照明などの担当者と機材が密集し、活気と緊張の入り混ざった映画の撮影現場独特の雰囲気である。私は「ラーメン侍」撮影現場を思い出し、懐かしさに浸っていた。すると顔見知りのラインプロデューサーがやって来て「あれ?香月社長、昭和の衣装は着てないですね」と言ったが、私はエキストラ出演目的ではなく、あくまでラーメンの賄いで伺ったと伝え、川原会長の座る本部席に身を潜めた。と、シーンカットの合間にキャストの中から、こちらへ駆け寄ってくる小柄な男性がいた。見ると、何度もテレビで私と共演した斉藤優クンだった。半年ぶりの再会に握手を交わしていると、今度は後ろから私に向かって、聞き覚えのあるハスキーな声で「どうもー」と言う男性の声がした。振り返ると、この映画の主人公・博多華丸さんである。これには若い大砲スタッフも大興奮。そこで華丸さん、川原会長を皆で囲んで記念写真と相成り、興奮冷めやらぬまま我々は現場を後にした。
 帰路、私はあらためて、映画「めんたいぴりり」の成功を心から願った。

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