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第五十話 崖っぷちラーメン店「五常」(上)

 今年の4月、またもや崖っぷちのラーメン店を救ってくれという、テレビ局からの連絡があった。いつものごとく突然の依頼であり、これまたいつものごとくノーギャラである。人の良い私(?)は、とりあえず局に言われるがままにそのラーメン店へ出向いた。
 その店の名は「泰星ラーメン」。そこの店主である林氏は54歳、商売をリセットするにはギリギリの年齢である。冒頭から店の惨状を聞かされたのち、恒例の試食とあいなった。その味は、結論からいうと「可もなし不可もなし」といったところで、良く言えば「昔懐かし」、悪く言えば「時代遅れ」の薄めのスープであった。極端な問題はないとしても、「崖っぷち」状態であるということは、様々な問題が複合的に絡み合っているのであろう。そこで私は「ラーメン店開業のきっかけ」「ラーメンに対する思い」などいくつかの質問をしてみた。聞くところでは、4年前、林氏が営んでいた造園会社が部下の謀反により倒産。氏は傷心の末、造園業との決別を決めた。そして心新たに門を叩いた先が、今はなき福岡の名店「三九ラーメン」であった。そこで2年間、三九の店主である上瀧氏のもとでラーメン修行。2年前に独立し、いまの泰星ラーメンを開業したとのことであった。さらに氏曰く「私は三九の味を守りたかとですよ。ラーメンは教わった通りにつくり、同じ味を出しとります。」文句があるかと言わんばかりの強い思いがあるようだ。そこで私は思った。私は主にラーメンの指導で来ている。今の味を変えたくないならば私の出る幕はない。さらに、そもそも立派な師匠がいらっしゃるなら、その師匠にまずは相談する、それが筋というもの。その師匠を飛び越えてよそのラーメン屋に頼るというのは間違いだ。日本人は武士の世から「賢臣は二君に仕えず」というではないか。そのことを伝え、最後に私はこう言った。「三九の師匠の承諾がなければ、今回の企画、私は受けない」と。
続きは次号