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第十五話 おかげさまでミシュランガイド・ビブグルマン受賞

 去る7月7日、ホテルオークラ福岡で催された「ミシュランガイド福岡・佐賀2014特別版」出版記念パーティ。その会場において「星」と「ビブグルマン」受賞店の発表がありました。「星」は皆様ご存知「1つ星」から「3つ星」まであり、いわゆるその店の料理の味や居心地などを、星の数で評価したもの。「星」の付く店の、そのほとんどが高級店です。「ビブグルマン」とは、3,500円以下で料理を楽しめる店の中でも、特におすすめの店に与えられるミシュランのキャラクターマークです。そう、そのジャンルでの「星」というべきものであります。当然「ラーメン店」や「うどん店」などはこれに含まれます。それらの受賞店の発表が、ミシュランガイド発売3日前のこの会場で発表されるのです。無論その情報はミシュラン関係者以外、誰にも知らされていません。世界一厳格なガイドブックといわれる所以です。
 会場は、発表前から異様な熱気に包まれていました。来賓・ミシュラン関係者・招待店代表者・メディア関係者など400人以上。ひな壇上のテレビカメラは数十台。あちこちでテレビ局のリポーターがカメラの前で喋っています。もちろん生中継。日本ミシュランのベルナール社長の挨拶や、いくつかの華々しいセレモニーが続く中で、刻々と受賞店発表の時間が迫ってきて、会場は否が応にも盛り上がっています。
 ついに発表の時間。会場は暗転し、前方2カ所の大スクリーンに「ビブグルマン」の文字。それは映画のエンドロールのように上に動き始め、MCの読み上げと共に様々なジャンルの受賞店が紹介されます。「うどん」「そば」の発表が終わり、やがて「ラーメン」の文字がせり上がってくると、なぜか会場が一瞬静まりました。そして店名が現れると、どよめきがおきたのです。スクリーンには「大砲長門石店(久留米市)・大砲本店(久留米市)・麺劇場玄瑛(福岡市)・麺匠明石家(北九州市)以上4店」の文字が。なんとビブグルマン受賞店74店の中でラーメン店はわずか4店。その内の2店が大砲ラーメンだったのです。「感動」というより「奇跡」を目の当たりにしたときのような心の震えを感じました。 
 やがて「星」受賞店発表が終了しました。テレビ局は3つ星を獲得した寿司店「行天(福岡市)」の若い店主のインタビューが終わると、事前にディレクターに拿捕(?)されていた私へカメラとマイクを向け、お決まりの「今のお気持ちは?」ときました。そのとき私は思いました。どんなに良いことを言っても、編集で無惨にカットされるテレビの世界。しかしこれは生放送。いま感じている最も大切なことを伝えられる。そして「ありがとうございます。屋台から始まった豚骨ラーメンが、初めて1つの料理のジャンルとして、世界が認めた、(今日は)そんな日だと思っています。ラーメン屋でよかった」とコメントしました。その後もインタビューが続きましたが、頭の中では、ラーメン屋台の長男として生まれ、貧困と周囲からの侮蔑の目を浴びながら少年時代を過ごし、親の職業を恥じながら成人し、30歳まではやりたいことをやろうという思いも、両親の病で打ち砕かれ、神仏を疑いながら小さなラーメン店を受け継ぎ、様々な苦難と戦いながら現在に至るまでの映像が巡っていました。しかしいま本当に思っております。「ラーメン屋の息子で良かった」と。会場から帰宅した私は一番に、亡き両親にミシュランの報告と感謝のお参りをしました。
 余談ですが、チェーン店は掲載しないはずのミシュランガイドに、複数の支店を有するウチが一般掲載(合川店・吉井店)も合わせると、4店も選ばれたのはどういうことか、考えました。そして思い至ったのは、多店舗展開するラーメン店のほとんどが「セントラルキッチン(スープ工場)」方式を採っています。しかし大砲は、ラーメン職人が育って初めて出店するので、全店が手作りスープというやり方です。「呼び戻しスープ」は職人でないとできません。そういうことをミシュランガイドの調査員は知っていて、それぞれの大砲の店が「独立したもの」とみなされたのではないかと、勝手に推測しております。先日、あるラーメン店のご主人が私に言いました。「大砲さんのラーメンから立ち上るものは『湯気』と思っていました。でも、それは『オーラ』だったのですね」と・・・。深謝。