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第九十八話 盛り塩の話

 「塩」それはあらゆる料理に必要不可欠な調味料だが、塩はまた、日本古来より「お清め」などの神事にも欠かせないものでもあった。現在でも、塩を撒いて土俵を清める力士を見るたび、相撲が「神事」であることを改めて感じさせてくれる。そして「盛り塩」と言えば、料理屋の玄関先やスナックの入り口の両脇に盛られている、あの塩のこと。辞書で調べると「門口を清め、縁起を祝うために塩を盛ること云々〜」とあり、別名「清め塩」とも「盛り花」とも言うそうだ。ところがこの盛り塩、その由来は「お清め」でも何でもない、少々艶かしい話からその端を発している。

 ときは中国、秦の時代。中国全土を支配した始皇帝には、それは沢山のおめかけがいた。楊貴妃のような超ベッピンさんから、少々アウトレットな顔立ちのひと、細め、太め、ロリータから熟女まで、多種雑多なお妾が、「始皇帝お妾リスト」に登録されていた。その彼女らは、後の日本の大奥のように殿中の同じ屋根の下で共同生活をするのではなく、広大な宮中内のそれぞれの「家」で暮らしていた。お妾たちは「皇帝の寵愛を何とか自分のものにしたい」という思いで必死であった。いつ自分のところへ皇帝が現れてもいいように、来る日も来る日も美しく着飾り、勝負パンツを履き(?)、万全の体制で皇帝を待っていた。皇帝といえば悠長なもので、お妾宅へは牛車
ぎっしゃ
に乗ってゆるりと行く。御簾みす(すだれ)の中の皇帝は、どこにどんなお妾がいるのか知りもせず、覚えもせず、ただ牛車まかせ。ウシまかせ。そんなある日、あるお妾は妙案を思いついた。「どうせ皇帝がウシまかせならば、皇帝ではなくウシを我が家の前で立ち止まらせればいい」と。そこで考えたのが「盛り塩大作戦」。皇帝のお妾巡回の日、彼女は自宅前に沢山の塩を盛った。そう、草食動物であるウシは塩が好きという習性を利用した作戦である。果たせるかな、ついに通りの向こうから皇帝の乗った牛車が、てれてれとやってきた。そして、あわや家の前を通り過ぎようとした刹那、ウシは塩に気づき、ぺろ〜りぺろ〜りと塩を舐めはじめた。もう牛車はそこから動こうとしない。皇帝は「何事か?」と牛車を進ませようとしたが、ウシにとっては偉大な皇帝よりも塩のほうが大切である。1頭のウシに負けた皇帝は、やむなくそのお妾さん宅に立ち寄ることに。やがてこのお妾は皇帝の寵愛を一身に集めることになり、ついに世継ぎを宿ったという。めでたし、めでたし。

 …という話が「盛り塩」の由来と云われている(諸説あると思うが)。どうぞ読者貴兄、コロナも明け、盛り塩のあるスナックでママを口説くときの話のタネにでもしていただきたい。ただし、そのママからの寵愛を一身に集めることができるか否かは、貴兄のウデ次第だが。
以上、ウシも食わぬ話であった。ご容赦。

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