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第五十四話 とんこつラーメン専用どんぶり(上)

 2年ほど前、私はあるきっかけで小石原焼の若手陶工と知り合った。それは秀山窯の当主・里見武士君。彼は、歴史ある民陶・小石原焼の伝統技法を残しつつも、現代的なデザインと融合させた作品を多く手がけており、若いユーザーからも支持を得ている。また、他の若い陶工仲間たちと共に小石原焼に新風を巻き起こし、それが地元東峰村の活性化につながればと願う素晴らしい若者であった。
 その後、私は雑務にかまけて里見君とはご無沙汰状態であったが、とんこつ誕生祭の準備が本格化しはじめた今年の4月、ふと、小石原焼ととんこつラーメンのコラボを思いついた。「そうだ、里見君にとんこつラーメン専用どんぶりなるものを焼いてもらい、10月に開催の「とんこつ誕生祭」イベント会場に作品発表・販売の場を提供したらどうか。また彼から陶工仲間たちに声をかけて頂き、作品を競い合ってもらえばさらに面白いかも」と。そして「小石原焼は昔から『民陶』と呼ばれる庶民的な焼き物。とんこつラーメンも、屋台で生まれ、庶民に育まれた食べ物。両者ぴったりではないか」
 さっそく私は里見君に電話し、その旨を伝え、快諾を得た。彼は早々に仲間2人に声を掛け3人のとんこつラーメン専用どんぶりチームを結成してくれた。4月20日、私は企画の内容説明の為に東峰村の現地に出向いた。すると、なぜかそこには、どこで聞きつけたのか福岡のテレビ局の報道班が待ち受けていた。聞けば彼ら3人の陶工を、10月の「とんこつ誕生祭」まで追いかけ取材したいという。悩み、苦労しながら作品を作り上げていく彼らの姿を撮りたいのだろう。もちろんそれは構わないし、東峰村のPRになれば願ってもない。
 ところが、その3ヶ月後にその報道班は凄まじい光景を撮ることになった。

続きは次号

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