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第十六話 超常現象は、あります!

 私はいい年して、いまだに心霊やUFOなどのフシギな話に興味があります。
 最近、アノNHKが、世界の不思議現象を紹介し検証するという、超常ファイルなんとかというテレビ番組がシリーズで放送されていると聞き「ほう」と思い、早速何度か録画して観てみました。その内容はというと、まずは世界の様々な超常現象を、視聴者の興味を煽るような演出で紹介する。そして番組後半でそれを科学(?)的に検証。最終的に、それらの現象は人為的なもの、でなければ人間特有の錯覚、または社会心理学的な現象であると結論づけて終わる、というものばかりでした。さすがNHK、しっかり超常現象ファンのロマンを壊してくれます。バレバレのニセ心霊画像や映像をタレ流し、スタジオのお姉ちゃんたちをキャーキャー言わせて楽しむ、無節操な民放のその手のものよりは、真摯な姿勢の番組作りであると、NHKさんは言いたいところでしょう。しかし、私の中ではそれもNHK得意の偏向報道と同質です。
 小保方さんではないですが、私はハッキリ言いたい。「超常現象は、あります!」と。
 それは、私が大学生時代のこと。夏真っ盛りのある日、バンドのメンバーたちと熊本の阿蘇にキャンプに行きました。初日の野外ライブも終わり、打ち上げを兼ねたキャンプファイヤーでバカ騒ぎしながらタップリ焼酎を飲んだ私は、いつのまにかテントで寝入ってしまいました。そして明け方、私は悪夢にうなされて目が覚めたのです。それは、蒼々と澄んだ、盛り上がるような水に沈んでゆく、黒い長い髪。その光景を私は空中から眺めている、そんな夢でした。顔を洗いに行ってもその光景が頭から離れず、たまたま横にいたバンド仲間のMに夢の話をしました。Mはただうなずいて、その話を聞いているだけでした。やがて真夏の太陽も高くなり、白い入道雲も涌きはじめたころ、誰かが「菊池渓谷に泳ぎに行こうじぇ」と提案するや、即座に可決。
 そこは、深い自然林に鋭く切り込まれたいくつものV字谷を、清冽な水が多くの滝を作りながら激しく流れ下る、九州随一の大渓谷です。私たちは手頃な谷を見つけ、そこの滝壺で泳ぐことにしました。 
 気の早い連中は、すでに海パンを仕込んでいたらしく、川辺に服を脱ぎ捨てると、そのまま滝壺の淵に飛び込みはじまました。私は滝の傍らの、家ほどもある大きな岩の上でバスタオルを腰に巻いてモタモタと着替えておりました。すると突然、「たすけてー」という悲鳴。驚いて足下の滝壺を見下ろすと、淵の真ん中で水中に頭まで沈んでゆく友人が見えたのです。
 結果的にその友人は、近くにいた2人の仲間に救い上げられて助かり、事なきを得たので皆で胸をなでおろしたのですが、何より私がゾッとしたのは、その後のMの一言でした。「そういえばカッチン(私のこと)、今朝、夢の話しとったよね」。私は凍り付きました。そうです、今しがた溺れていた友人の姿、その光景は正に、数時間前の夢そのものでした。さらにもう1つ思い出したのが、キャンプに出かける前の母の言葉。「ヒトッチャン(私)、今はお盆ばい。キャンプは海じゃなかろうもん?15日は地獄の釜のフタが開く日やけんね。泳ぎに行っちゃいかんばい」。そうです滝壺で泳いだその日は、まさに8月15日でした。
 これは後にきいたことですが、「滝壺」のことは「釜」と呼ぶことがあるそうです。
 皆様、どげん思うですか?デキ過ぎですか?すべてが偶然でしょうか?しかし、ここに書いたことは少しも過不足のない事実です。私には同様の体験がまだ沢山ありますが、これ以上書いたらO槻教授に怒られそうなので、これくらいにしときます。
 最後にもう1回、超常現象は、あります!

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