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第百三十三話 初代熱風録エピソード1

 このコラムで過去、読者の皆様から最も好評をいただいたシリーズ「初代熱風録」。
 実は、このシリーズのイメージを膨らませて、僕がひっそりと書き下ろした小説があります。その目的は、機会をみて皆様にはお知らせいたしますが、今回はその物語の一部を紹介いたします。
 (舞台は昭和40年代のラーメン屋台。登場人物の「昇」は僕の父、「嘉子」は母、「光」は小学生の頃の僕と思って下さい)
 ~昇は嘉子に商売の提案をしていた。
 「にゃ、思わんか?ショウガ抜きにしてくれだの、ネギ抜きにしてくれだの、ほんに客はしぇからしか。だけん、ショウガもネギもカウンターに置いといて、客に自分で入れさせるったい。そげんすりゃ好かん奴は入れんやろうし、何ちゅうても、俺たちの手間がはぶけろうが」
 *(光)『お客さんより、自分の都合を優先するところが、父ちゃんの商道でした』    (中略)
 その夜、雪を被った弾丸ラーメンから昇のどなり声が聞こえる。
 昇はカウンターの客を指さしている。
 「こらぁ!そこの学生!ネギば入れすぎネギば! コラコラお前、お前たい!ショウガの入れすぎ、スープが真っ赤やんか!」
 客は皆、恐れおののいている。割り箸を割る手が震えている者もいる。
 「タダやけんちゅうて、ガバガバ入れるな!バカタレどんが!」
 昇の後ろには、光の古い黒板が掛けてあり、そこには〈ネギ・ショウガはご自由にどうぞ〉と書かれている。
 昇のどなり声が雪の夜空に吸い込まれてゆく。
 *(光)『父ちゃんの辞書には〈おもてなしの心〉という言葉はありませんでした。そして翌日父ちゃんは、カウンターのネギとショウガを引っ込めてしまいました。』。~
 いかがでしたか?このシーン、実は実話(笑)なのです。こんな親父の話が映画などになれば面白いと思いませんか?・・・・ムフフ。