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第百十三話 ラーメン進化論

 「昔と変わらずおいしい。そうお客さんに思わせるには、見えない〈味の進化〉が必要だ」これは、東京の老舗ラーメン店〈春木屋〉の店主の考え方で、業界では〈春木屋理論〉とよばれています。これは大変的を射た理論で、僕も昔から同じ考えでした。
 皆さんも経験があるかもしれませんが、たとえば、かつて通ったある食堂の大好きなメニューを、十数年振りに食べてみたら、「何か物足りない。さては大将、味を変えたな」と感じる。そして「この店は味が落ちた」という烙印を押してしまう・・・。実は、大抵の場合、そこの大将が味を変えたのではなく、あなたの味覚が変化(または進化)したのです。「十数年振りに食べても変わらずおいしい」と思った場合、それは恐らくそのお店の味が、あなたの味覚と同様に進化していたのではないでしょうか。
 手前味噌ですが、ウチのラーメンの豚骨の使用量は、かつて初代が屋台を営んでいたときの2倍近いものになっています。加えて元ダレやトッピング、主にチャーシューはより上質の肉に進化させています。また、ウチには〈昔ラーメン〉という商品がありますが、もしそれを元ダレやトッピング、さらに豚骨の使用量まで50年前と全く同じものにすれば、ほとんどのお客さんは「物足りない」そして「味が落ちた」と思うでしょう。
 そんなことを考えていたある日、即席麺大手メーカーの担当者からこんな話を聞きました。「当社の役員たちが、入社当時の商品の味を懐かしがって、その味そのままの復刻版の商品を発売したところ、全く売れなくて、すぐに製造中止になったんです」と。 人の味覚は進化します。その味覚の進化に付いて行けない店や食品メーカーは衰退するのかもしれません。
 ハナシは変わりますが、これをお読みの奥様、ン十年振りの同窓会なぞに行かれることもおありでしょう。その折にでも、ン十年前の男子の奥様を見る目と、現在の奥様のご容姿が、共にどう進化しているのかをご確認されてみるのも一興ですね。