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第百〇三話 露天風呂の効果

 本紙の湯元三介さんではありませんが、先だって温泉に行ってきました。そこは、まだ寒い早春の久住の山懐に抱かれた温泉です。連なる九州の屋根の山々を望みながら浸かる大草原の露天風呂はまた格別でした。そんな湯に一人のんびりと浸かっていると、リラックス効果で、色々な発想が頭に浮かんできます。
 まず浮かんだのは「僕が猿だったら」ということでした。以前、雪深い山の天然露天風呂に気持ちよさそうに浸かっている野生の猿の映像を見たことがありますが、そこで思ったのが「この猿たち、風呂上がりはどうしているのだろう」ということです。猿たちは雪の中の温泉にそのまま入り、そのまま上がります。そこにはバスタオルもなく、猿は濡れた毛を凍らせながら山に帰ります。彼らは湯冷めして風邪を引かないのだろうか、僕は疑問でした。しかし考えてみれば、猿は人間の祖先といいます。その説が正しければ、僕はただの〈毛のない猿〉のはずです。そう思った僕は矢庭に露天風呂から上がり、そのまま寒風の吹く草原の岩に座ってみました。すると・・・寒い。とっても寒い。わずか二十秒で湯に戻り、もう一度トライ。またもすぐにへこたれ、三度目のトライ…、はたから見れば、素っ裸で反復作業を繰り返すタダの変態オヤジです。あきらめた僕は思いました。「野生は不思議だ」と。
 やがて頭の中で「不思議シリーズ」が始まりました。「野生といえば、ワシやタカなどの鳥は、木の上にうまく巣を作るけど、ヒナが風雨にさらされるのがわかっていながら、なぜ屋根を作らないのだろう…不思議だ。巣と言えば、アリの巣は雨で水没しないのかな…不思議だ。モグラのトンネルには落盤事故はないのかな…不思議だ。地中に生き埋め状態のミミズが窒息しないのはなぜだろう…不思議だ。マムシやハブなどの毒蛇は思わず舌をかんだりしないのかな…不思議だ」さらに頭の中は取り留めのない状態となり、「もうすぐ夕食か…、浴衣でいいのかな…浴衣といえば、朝起きたら腹に帯だけ残し、全部背中にまとまっているよなぁ…浴衣という世界一不便な寝巻きも…不思議だ」…などと具にもつかないことを思い巡らせながら部屋に戻ると、この宿は浴衣ではなく、オリジナルのジャージでした。「良い着眼点だ」
 ということで、今回もワケのわからないコラムになってしまいましたが、要するに、町の埃と喧噪で疲れた心身を癒し、かつ想像力を高めてくれる空間といえば、日本人にとっては、やはり自然に囲まれた温泉でしょう。かつての文豪たちの執筆の場も温泉でした。ただしその作品に猿やモグラは出てきませんが…。
 そして、温泉の帰りには「その土地のラーメンを食べて帰る」ということもお忘れなく。