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第八十三話 卒業写真

 その昔、僕がミュージシャンなるものをめざしていた一時期、聴くのはもっぱら洋楽でしたが、邦楽にも好きな曲がありました。そのなかに「卒業写真」という曲があります。そう、ユーミンこと松任谷由実さんが“荒井由実”時代の一九七五(昭和五〇)年に書いた不朽の名曲です。僕がこの曲を初めて聴いたのは、青春真っ盛りの一七才の頃でした。美しいメロディもさることながら、何といっても心に染み入るその歌詞の素晴らしさに、多感な年頃の僕は身震いしたのを憶えています。歌詞を紹介します(なぜか空で書ける)。
 
~卒業写真~(作詞・作曲:荒井由実)
 悲しいことがあると開く皮の表紙
 卒業写真のあの人は優しい目をしてる
 街で見かけたとき何も言えなかった
 卒業写真の面影がそのままだったから
 人ごみに流されて変わってゆく私を
 あなたは時々 遠くで叱って
 
 話しかけるように揺れる柳の下を
 通った道さえ今はもう電車から見るだけ
 あの頃の生き方をあなたは忘れないで
 あなたは私の青春そのもの
 人ごみに流されて変わってゆく私を
 あなたは時々 遠くで叱って
 あなたは私の青春そのもの
 
 いかがでしたか?美しいメロディと共に、皆さまそれぞれの情景が浮かんだことでしょう。
 最近は、言葉(歌詞)はサウンドの一部という考え方なのか、やたら英語と意味不明の日本語を無節操に散りばめながら、それを無国籍な発音でまくし立てるように歌う歌が氾濫していますが、当時の歌は、美しくそして無駄も不足もない言葉の一つひとつを、丁寧に旋律に乗せて作られていました。いわば歌詞と旋律のバランスが最もとれていた時代でした。中でも「卒業写真」は完璧なまでの情景描写と物語性、そのきれいな旋律も一度聴いただけで心に残る名曲の一つであると思います。僕の中では、伊勢正三氏(かぐや姫)の名曲「なごり雪」と双璧をなす作品であります。
 ところで今回のコラムがなぜ「卒業写真」なのか?ちなみに「なごり雪」は五年前、大林宣彦監督により大分の臼杵を舞台に映画化されました。そこで皆さん、たとえば「卒業写真」を主題歌にした映画がもしあれば、ぜひ観てみたいと思いませんか?しかも、その映画の舞台が地元・久留米だとしたら・・・。