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第七十七話 初代熱風録・その6

 戦後間もない頃から現在まで続いている久留米の屋台。夜になると立ち並ぶ屋台の明かりは、まちの風物詩であり、博多同様、全国に誇る久留米の文化であります。ひと昔前の博多の観光パンフレットには、那珂川の水面に映える中洲のネオンビル街の写真というのが一般的でしたが、最近では川べりに立ち並ぶ屋台の風景に取って代わり、テレビCMやドラマのロケにもよく登場するようになりました。博多のみならず、久留米にとっても屋台文化はまちの貴重な観光資源となったのです。しかし平成六年、県警は屋台を自然消滅させるべく「道路使用許可は現営業者一代限りとする」という方針を打ち出しました。その結果、博多も久留米も少しづつ、しかし確実に屋台の明かりは消え続けています。一体どういう立場の人が何を目的に、この大切なまちの文化と観光資源を消滅させるのか?僕には理解できません。今からでも「屋台存続の賛否を問う県民投票」でもやってもらいたい気分です。もっとも「屋台存続賛成」の票が圧倒的多数という結果は容易に想像できますが。
 さて、時代は遡って昭和四〇年代初頭、僕のオヤジの話に戻ります。
 ラーメン作りの腕とケンカの腕っ節、そんなオヤジのキャラは評判を呼び、いつの間にか久留米の繁盛屋台となっていました。ついには何と隣の焼き鳥の屋台まで借り上げ、それを自分のラーメン屋台と直結、誰も見たことがないラーメンと焼き鳥の“ツイン屋台”を登場させたのです(今の条令下では考えられない)。
 おでん→酒→焼き鳥→酒→ラーメンというヨッパライのハシゴが一件の屋台でまかなえる(まるで屋台村のミニ板)ということで、オヤジのツイン屋台は大ブレイクしました。屋台を始めた初日の売上がわずかラーメン一八杯だったことを思えば、いまのこの繁盛ぶりは夢のよう。しかし「江戸っ子と“オヤジ”は宵越しのカネは残さない」とでも言いますか、利益の内部留保等の経済観念など皆無のオヤジです。利益はそのまま酒に化け、オヤジの胃袋の中に消えていきました。
 ところが、ドラマで使い古された慣用句「そんな夢の日々は長くは続かなかった」という事態が発生。突然当局から「道路拡張ならびに歩道整備のため」という名目で、オヤジの屋台に立ち退きの命令が出たのです。さすがに金剛力士像のにらみも、ケンカの腕っ節もお上には通用しません。ついにオヤジのラーメン人生に最大のピンチが訪れました。
 さあオヤジどうする!