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第七十五話 号外・ラーメンピック(中)

 そこに我々が見たものは!なんと!女・おんな・オンナだらけだったのです・・・・!(期待させた割にはこんなオチですみません)教室に入るなり、四八名のハタチの女の子集団の目が一斉に僕たちに注がれました。担任のO教授(女性)が僕たちの紹介と、来校の目的を説明し始めました。しかし、初めての、そして今後一生経験することは無いであろうこの異空間で、僕たち三人は脳ミソ蒸発状態。教授の説明が終わる頃、やっと学生たち一人ひとりの表情を見る余裕が出てきました。僕たちを見る目が、興味津々の子、ちょっと警戒心の子、無表情子、どこかで見た子、色々でしたが、以外にもケバイ子はいません。そして「金八先生」に必ず出てくる「腕組んでふてくされたワル」もいません。それどころか、最近の短大ではでは珍しい”制服”を清楚に着こなし、全の「起立・礼」もきちっと揃っています。いつかこのコラムで書いた「起立・礼はおろか生徒に何の礼節も教えないアノ無秩序な公立小学校」とはえらい違いです。しかもこの短大の学生は皆、関係のないクラスの子でも、廊下ですれ違う僕たちに「こんにちわー」と、笑顔で挨拶するのです。まるで今は無き矢部村の飯干小学校の(これもコラムでお馴染み)あの子供たちのようで、安心しました。と言うより感心しました。素晴らしい教育です。
 しかし今の僕たちには思いにふける時間はありません。この与えられたわずか一マス(九〇分)で、ラーメン開発から本番までの段取りを全て決めなくてはなりません。しかも本番までひと月しかないのです。まるで数年前に経験したTV「愛の貧乏脱出大作戦」の達人役を思い出します。
 僕たちは自己紹介もそこそこに、先ずはこのクラス四八名を「スープ開発グループ」「麺開発グループ」「トッピング開発グループ」と、三つの開発グループに分けることにし、早速、アンケート用紙を配布して、自分が希望するグループや、作ってみたいラーメンのテーマやイメージを自由に書かせました。それを回収し、すぐに別室で、予め選出されていたチームリーダー(全体のリーダー)、サブリーダー(各開発グループのリーダー)たちを集め、クラス全員のグループ編成の作業をさせ、決定した各グループのメンバーを発表。教室内を三カ所に分け、学生はそれぞれの所属グループの場所に移動。そこで一旦全員を注目させ、アンケートの集計結果を発表。さすが若い感性に溢れた女学生、コミカルなものから、プロでもハッとさせるような瑞々しいアイデアの宝庫。僕は得票数の多いアイデアを優先しながらも、プロとしてのアドバイスを加えつつ、テーマを絞り込みました。やがて決定したテーマは「信愛らしく 美味しく 美しく」(後の修正案)。このテーマを元に各グループでブレーンストーミングをさせ、僕たちが商品や店舗を開発するときに使うコンセプトワークを駆使し、作品の顔づくりをしました。やがてテーマに沿ったラーメンの顔が次第に見え始めました。
 しかして、そのラーメンの顔とは一体?

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