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第四十五話 崖っぷち有名ラーメン店(上)

 地元テレビ局FBSに「頑張るキミに花束を」という人気バラエティ番組がある。それはローカル番組とはいえ毎回10%超えの高視聴率で、東京キー局の番組を押し退け、金曜ゴールデンに鎮座している。そして同番組内で最も人気が高い企画が「崖っぷちラーメン店」シリーズらしい。
 実は私、最近この番組に加担(?)させていただいた。それは去年の9月上旬のこと。突然のKディレクターからの1本の電話で始まった。「〇日〇時、とにかく局に来てほしい。詳しいことはその時に、云々」と言われ、話はそれだけ。事前の番組企画書の送付も何もない、ある意味不躾な出演依頼に、私は戸惑い、訝しながらも、とりあえず局に出向くことは承諾した。
 当日、私がFBSに到着すると、出迎えのスタッフからソソクサと会議室に通された。「なんか様子が変だ・・・」そう感じながら入室すると、そこには見覚えのある顔があった。以前、同局の、ラーメン店再生の番組でタッグを組んだ店舗デザイナーの小野氏である。私たちは一通り挨拶を交わすと今日の話になった。聞けば小野氏も私同様、今回の番組内容は何も聞かされてないという。私たちは思った「なんか怪しい」。会議室では若いスタッフたちが慌ただしく出入りし、終始携帯でやり取りをしている。その間、顔を出してくれたFBSのT部長と挨拶などを交わしながら時間をつぶしていた。やがてT部長も若いスタッフたちも退室し、静かになった途端、ドアが開き誰かが入って来た。それはお笑い芸人の斎藤優クン。後ろではTVカメラが回っている。イキナリの本番である。3人、半年ぶりの顔合わせであったのだが、挨拶もそこそこに優クン、本題を切り出した。「今回、お2人に助けていただきたい崖っぷちのラーメン店は・・・・・」タメが長い(オンエア時にはここでCMとなる)。「その店は・・・『らーめん四郎』さんです!」私と小野氏は顔を見合わせた。小野氏にとっては、ちょっと前の同番組で、ある崖っぷちのラーメン店を、救う方の立場で組んだラーメン店主・黒田光四郎クンの店である。しかも十年前の同局の番組「九州ラーメン総選挙」で一位に輝いた有名店。私にとっては今から遡ること15年ほど前、私を業界の先輩として慕ってくれる黒田クン本人から結婚式に招待され、スピーチをさせていただいたこともある仲である。
 まるでドッキリ企画。私は迷った。駆け出しのラーメン店なら、どのような色にも染め上げることができる。それは店の知名度が低いほど効果がある。また、変なクセもついてないから、ラーメン技術とその経営ノウハウの伝授は、素人ほどそれを受け入れる吸収力もある。ところが「らーめん四郎」は、福岡のラーメン好きで知らない者はいない有名店であり、店主の黒田クンはラーメン職人歴20年のベテラン。その技術もプライドもそれなりであろうことは容易に想像できる。
 私は悩んだ。これは受けるべきか、辞退するべきか。
 それが次回、トンデモナイ結果に!