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第六十四話 ラーメンの大臣賞

 ラーメンフェスタでおなじみの久留米・ラーメンルネッサンス委員会が、先日(1月26日)何と「平成16年度 地域づくり総務大臣賞」を受賞いたしました。
 これも関わっていただいた全ての皆さま、そして市民の皆さまのお陰です。
 同委員会の一メンバーとして、心から御礼申し上げます。
 思い起こせば98年、市内の某大手ゴム会社の経営危機により、久留米は一気に不況の嵐にさらされました。その最中、さらに国からは「緊急雇用対策地域」という、全国で五地域しかない、しかも関東以西では唯一という「不景気のまち」のレッテルが貼られてしまいました。
 その頃、そんな故郷の衰退を憂う四人の男たちが居酒屋で一杯飲りながら「何とかせにゃイカンばい」と、ヨッパライ頭をひねっておりました。いま思えばそれがラーメンルネッサンス構想の始まりでした。
 それから足掛け7年、そのヨッパライたちの構想が、昨年は国民文化祭という国家事業となり、そして今回、かつて不景気のレッテル「緊急雇用対策地域」を指定した同じ政府から同じまちが、今度は地域づくりの「大臣賞」をいただいたのです。
 いま手元に、このコラムの第1回目(99年4月号)の原稿があります。その一節をご紹介します。
 ~終戦直後の久留米のまちで、ふるさと復興の原動力となってチカライッパイ働いたお父さんたちのお腹を満たしてくれたのが、屋台で食べる1杯40円の豚骨ラーメンでした。
 時は流れ、現在の久留米のまちに当時の面影はありません。
 あの頃の元気はどこへいったのでしょう。
 そこで僕たちは考えました。
 「もしかしたら”ラーメン”が再び久留米復興の原動力になってくれるかもしれない」と。~
 このコラムの予言(?)が的中したかどうかは判りません。また、焼け跡の終戦時と平成の不況時代、「ラーメンが二度まちを救ってくれた」と、ラーメン屋の僕が思ってしまうのも傲慢なことかも知れません。
 しかし少なくとも、ラーメンが「闇と中にポツンと灯るランプ」のような、小さいけれどホッとする気持ちを、このまちに与えてくれたのではと思っています。

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