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第三十五話 函館・塩ラーメンサミット

 久留米の皆さんはご存じ「ラーメンフェスタ」。そう、毎年11月に久留米百年公園で開催される日本最大のラーメン祭りです。去年の第3回フェスタには、市内を代表するラーメン店7店に加え、かの有名人“ガチンコ”の鬼師匠・佐野実氏の「支那そばや」、その弟子の「ラーメン道」そしてTVチャンピオン3連覇・河原成美氏の「一風堂」という錚々たるゲスト店が勢揃いし、10万人の人がそこに押し寄せたという、まさに日本一の賑わいを見せたラーメンイベントでした。
 実はこのラーメンフェスタが、何と!北海道の函館でこの5月(このコラムは5月中旬執筆)24日~3日間に開催されるというのです。といっても、これは函館の地元有志による実行委員会が企画したもので、そのフェスタの正式名称は「函館塩ラーメンサミット&函館塩ラーメンフェスティバル」といいます。内容はパネルディスカッション(佐野氏・河原氏・他)を中心とした「函館塩ラーメンフォーラム」と、“花より団子”バナシよりラーメンの貴兄お待ちかねの食体験型(久留米型?)「函館塩ラーメンフェスティバル」という2部構成。そのイベント会場のラーメン店出店数はゲスト店を含めて14店(久留米は10店舗)で、さらにそのイベント会場を市内2会場に分けて実施するという、その規模・予算は久留米のフェスタを遙かに上回るという、恐るべき企画のラーメン祭りであります。
 ~そのフェスティバルの成否やいかに・・・次号乞うご期待~などと人ごとのように終わりたいのですが、この函館の企画、実のところ僕も無関係ではないのであります。
♪(「喝采」のメロで)~あれは1年前、泊まる、熱海、湯船の中~♪と、ヘタな替え歌で始まってゴメンナサイですが、それは去年の梅雨入りしたばかりの6月のことでした。なぜか僕は“貫一お宮”で有名な伊豆・熱海温泉の古びた旅館におりました。なぜそんな処に僕が居たのか?それは定かではありません。そんなことより、その日僕は、夕暮れの露天風呂で暮れかかる湯煙の庭を眺めながら、一人悦に浸っておりました。昨夜北の強い風で散った広葉樹の葉が一面に浮かんで地面と区別がつかない露天風呂に僕一人が浸かっている、その光景を端から見れば、落ち葉で覆われた地面から、まるでキノコのようにオヤジの生首が生えているようなものでしょう。次に入ってくる人が驚いて叫び声を上げる前にと、僕は落ち葉をかき分けながら室内の洗い場に戻ることにしました。

すると、貸し切り状態で誰もいないはずの洗い場のどこからか、ささやくような声が聞こえてきたのです。「・・・Kさん・・・Kさん」目をこらすと湯煙の向こうにボンヤリ人影のようなモノが見えました。こ、これは座敷わらし?いや、それにしてはやや大振りで歳くってる。オヤジ型の座敷わらしか(おまえがそうだよ)?

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