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第八十二話 ラーメン進化論(改)

 「昔と変わらずおいしい。そうお客さんに思わせるには、見えない〈味の進化〉が必要だ」これは、東京の老舗ラーメン店「春木屋」の店主の考え方で、業界では「春木屋理論」とよばれている。至極的を射た理論で、偶然にも、私が2代目に就任した30年前から現在に至るまで同じ考えである。
 皆さんも経験がおありかも知れないが、たとえば、かつて通った食堂の大好きなメニューを、10数年振りに食べてみたら、「何か物足りない。さては大将、味を変えたな」と思い込む。そして「この店は味が落ちた」という烙印を押してしまう・・・。実は、大抵の場合、そこの大将が味を変えたのではなく、あなたの味覚が知らないうちに進化していたのである。「10数年振りに食べても変わらずおいしい」と思った場合、それは恐らくそのお店の味が、あなたの味覚と同様に進化していたのではないだろうか。
 手前味噌な話だが、ウチのラーメンの豚骨の使用量は、かつて初代が屋台を営んでいたときの2倍以上になっている。加えて元ダレやトッピング、主にチャーシューはより上質の肉に進化させている。ちなみに、ウチには「昔ラーメン」という商品があるが、もしそれを元ダレやトッピング、さらに豚骨の使用量まで60年前と全く同じ本当の「昔」に戻せば、ほとんどのお客さんは「スープが薄い」そして「味が落ちた」と思うだろう。
 そんなことを考えていたある日、大手即席麺メーカーの担当者からこんな話を聞いた。「当社の役員たちが、入社当時のある商品の味を懐かしがって、その味そのままの復刻版の商品を発売したところ、全く売れなくて、すぐに製造中止になったんです」と。
 人の味覚は進化し、日毎に贅沢になってきている。それについていけない飲食店や食品メーカーは、もしかしたら衰退するのかもしれない。
 話は変わって恐縮だが、去年の正月、中学の同窓会を20年ぶりに催した。そして驚愕した。前回の同窓会のときは、男子も女子も中学時代の面影がまだ残っており、可愛い女子は艶やかな美人に、イケメン男子はそれにシブさが加わって中々よろしい。そうではない男女も「それなり」で、全体的に容姿は程良い「進化」をとげていた。ところが今回の同窓会は・・・タマガッタ。
 とうに当時の先生方の年齢を超えているとは言え、同窓生のその容姿は「進化」など突き抜けて、もう誰が誰だか判らない。私は思った、還暦すぎたら互いに会わない方が思い出は美しいと。そして読者の皆様にお伝えしたい。「同窓会、やるなら40代まで。進化は突き抜けると別物になる」ということを。
最後は、自分のことを棚にあげた余談であった。深謝。