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第五十三話 崖っぷちラーメン店「五常」(下)

 ~本題に入る前に皆さまへの御礼を一言。去る10月14日・15日、久留米シティプラザ・六角堂広場にて開催された「とんこつラーメン誕生祭」。お陰さまで久留米市内外から、連日数万人というラーメンファンにご来場いただきました。先ずもって、事業プロジェクトを代表いたしまして熱く御礼を申し上げます。誕生祭の様子やエピソード等は、またの機会に本欄にてお伝えします。ちなみに、アノ崖っぷちラーメン店主たちのコラボ店も特別出店し、皆大変頑張っておりました。それも含めてお楽しみに~
 さて本題、崖っぷちラーメン店「五常」の最終章。
 火力は5万キロカロリーという、暴れ馬のような巨大な五右衛門釜、そしてスープは「取り切り」技法。私にとって全てが初体験である。せめて小ぶりのスープ釜が3基でも並んでいれば、私の得意な「呼び戻し」を伝授できるのであるが、ここにあるのは化け物スープ釜1基のみ。逃げ出したい衝動に駆られるも、真横ではテレビカメラがしっかり回っている。もう腹を括るしかない。そこで私は「泰星ラーメン」のスープ調理の現状を把握し、検証を試みることにした。先ずは「元ダレ」をチェック。タレの使用食材の種類の多さに驚いたが、問題はない。またこのタレは三休の師匠伝授ということなので、敬意の意味でも手は加えないことにする。やはり問題はラーメン店の要、スープの調理法だろう。周囲の情報では、スープの味のバラツキがひどいという。来るたびに別物のスープを出されるらしい。スープの釜は1つなのに不思議な話だ。現状のスープ調理法を詳しく尋ねると、そこに驚愕の問題点が潜んでいた。それは、釜に備えてあるステンレスのザルに一定量の豚骨を入れ、一定時間煮込む。煮込まれた豚骨はザルごとクレーンで引き上げられ、釜の上に吊るされる。釜の中のスープは1斗缶に移し冷凍庫に保管する。問題はそのあとだ(以降はテレビで未公開部分)。吊り上げられた豚骨はそのまま翌日再び使われ、いわゆる2番だしが取られる。さらにまた翌日3番だしとなる。しかもそれらの味も濃度も異なるスープをブレンドもしないで、そのまま店で提供しているという。全くありえないことである。それぞれのスープを味見してみると、1番だしのスープは黒っぽく生臭い。アクも残っている。2番だしは色も味もまあまあ。3番だしは色・味共に薄っぺらだ。これはバラツキ以前の問題である。まさに数日置きに別物のラーメンを出していたのだ。崖っぷちの根源はここにあった。さっそく私はスープ調理の大改革を行った。先ず、いわゆる1番だしは「血抜き(アク取り)」であるので、煮る時間を短縮し、そのスープは廃棄する。そして2番だし状態のものを徹底的に煮込んで旨味とコクを出すことを試した。ところがこの大火力の五右衛門釜である。短時間でスープは蒸発し、その水位は見る見る下がり、窯場の天井に溜まった水蒸気は梅雨の雨雲状態。ならばとタイマーをセットし、定期的に水を加えながら一定の水位を保ちつつ、スープの濃度を高めていく。その濃度はデジタル濃度計で目標数値を設定し、随時計測する。その結果、なんとか理想の「取り切りスープ」にたどり着いた。最後にトッピングを一工夫加し渾身のラーメンが完成。文字にすればこんなものだが、実作業は悪戦苦闘に満ちていた。そして屋号も「GOJOH『五常』(儒教の仁・義・礼・智・信)」と改名し、小野氏のおしゃれな店舗改装と相まった心機一転のリニューアルが成就。
 新装開店当日、突然現れた三休ラーメンの上瀧氏に私はしっかりと挨拶を交わさせて頂いた。その模様はテレビでご覧の通りである。