九州以外のほとんどの地域では、一般的にラーメンのスープは澄んでいます。これは、しょうゆラーメンやみそラーメンにしても、ベースとなるスープは、豚骨に野菜や海産物など、さまざまな食材を加え、濁らないようにトロ火でダシをとる、いわゆる“澄まし仕立てのスープ(清湯 : チンタン)”が基本とされているからす。
 しかし九州では、ラーメンのスープといえば、“白濁した豚骨スープ(白湯 : パイタン)”のことです。特に大砲ラーメンのとんこつスープは、ダシに他の食材は一切使用せず、豚骨だけを用いています。この豚骨を強火で濁らせながら、長時間(創業以来、継ぎ足し仕込み《通称:呼び戻し》で半世紀)骨の髄までひたすら炊き続けたものです。そして味付の調味料は、味噌・醤油に頼らずに“塩”が基本になっているのも特徴のひとつです。
 大砲ラーメンでは、店舗が増えても時代の流れに流されることなく、この「手作り」のスープは、各店の職人たちの手で守られ続けています。いままでがそうであったように、これからもずっと・・・。

 

 

 九州の豚骨ラーメンの麺は、ストレートの細麺です。これは本場中国の麺文化の影響といわれてますが(実際“ちぢれ麺”は日本生まれ)、ちぢれていない分、スープとのからみを良くするために、麺自体にスープが染み込みやすいように、水分の少ない“低加水麺”に仕上げています。
 とんこつスープと相性の良いこの麺は、国産小麦粉とモンゴル産かん水を使用した自家製で、当店独自の小麦粉のブレンドと、製造工程での惜しみない手間により一層のコシと滑らかさがあります。
 また、この麺の“控えめな印象”は、自己主張の強い豚骨スープとのバランスをとるためで、豚骨スープにとってなくてはならない女房役なのです。

[麺・スープ][][昔ラーメン図]