ラーメン今昔物語・ - 目覚めよラーメンフリーク -

ラーメン屋の“HK”  
          
 ここ数年、新聞のテレビ番組欄を見ても、書店の雑誌コーナーに行っても「ラーメン」の文字を見ない日はありません。 この全国的なラーメンブームとその情報の氾濫はいつまで続くのでしょうか。最近特に「ご当地ラーメン」ブームが加わり、一段と拍車がかかった観もあります。
 
  先日、インターネットで「ラーメン」を検索してみました。 すると、あるわあるわ、ラーメンフリークと呼ばれる(いわゆるオタク)たちのホームページが。 勝手なラーメンランキングやら、もう言いたい放題、書きたい放題の投稿コーナーやら。 僕も何気なく、ランキングに自分の店の名を見つけては喜んだり、投稿記事の内容に一喜一憂したりして、結構楽しんでいました。 思わず想像してしまったのは、ラーメン情報のホームページの開設者の取材風景です。 おそらく、一般のお客さんにまぎれて苦労しながら秘密の取材をしているのでしょう(一言いってくれたら気持ちよく協力するのに)。 たぶん、出されたラーメンをデジタルカメラでこっそり撮ったら、やおら自作のチェック表を取り出すと、一口スープを啜っては採点をし、一口麺を噛んでは採点をし、それと同時に卓上の薬味や調味料の種類、 メニューの数と売価なども記録していることでしょう。 とてもラーメンをゆっくり味あうヒマなどありません。ウマいラーメンもマズくなります。
 
  そんな他愛ない想像なんかしながら、ラーメン情報のホームページを眺めていたある日、ある投稿コーナーに、 僕も知っているラーメン屋さんの名を見つけました。それは、集中的にそのラーメン屋さんに向けられた、 無責任な誹謗中傷の投稿文でした。それを読んだ途端、その投稿者たちに対し、何とも言えない感情、「嫌悪感」というより「寂しさ」を感じました。 「店を活かすも殺すも、この人たちのキーボード次第」というところでしょうか。 パソコンなんぞにはとんと縁のないラーメン屋のオヤジさんたちが、自分の息子と同じ世代の、 それもインスタントラーメン以外作ったことのない若者たちから、知らないうちに吊し上げられてしまう時代。 そして、この上もなく便利だけれど、この上もなく野放しで無秩序なデジタル情報の世界に、いま強い危機感を感じています。
しかし、久留米のラーメン屋のオヤジさんたちよご安心あれ!我々「久留米・ラーメン ルネッサンス委員会」が募集した「ラーメン探偵団」は自らの足でラーメン屋さんを廻り、キチンと挨拶をして、正々堂々と取材をさせていただくアナログ集団です。この取材の基本姿勢は当然、“ランク付けなし” “勝手な主観なし” そして “一切の批判なし”であります。 オヤジさんの“思い”、存分にぶつけて下され。 取材目的はただ一つ、観光客向けの「久留米・ラーメンマップ」づくりであります。    

-この続きは次号にて、
           乞うご期待-