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第二十五話 愛が生まれた日

 私は学生時代2人の天才と知り合いました。1人は「キャッツアイ」という漫画で卒業前にプロデビューし、その後も「シティハンター」など次々と大ヒット作を生み出し、現在もなお現役大御所漫画家としてその名を馳せている「北条司」君。
 もう1人は「愛が生まれた日」を藤谷美和子さんとのデュエットで大ヒットさせ、紅白にも出演した「大内義昭」君。彼は私の音楽の後輩で、私とバンドを組んだこともあり、以来40年近い付き合いになります。
 この2人の天才は偶然、北九州市出身でありますが、北条君のコミック「シティハンター」がアニメ化されるときに、そのテーマソング「愛よ消えないで(小比類巻かほる)」を楽曲提供したのが大内君という、これまた偶然の逸話があります(それまでこの2人に接点はなかった)。以降、日本そして世界の名だたるアーティストたちに楽曲を提供し、近年は故郷である北九州市の市歌や市内の小学校の校歌まで手がけるという活躍ぶりでした。
 ちなみに、かつて私が原作を書かせていただき、2012年に全国公開された映画「ラーメン侍」、その全編に流れる音楽と、エンディングのバラードを見事に作り上げてくれたのも大内君でした。
 ところが、報道などで既にご存知の方も多いと思いますが、その天才音楽家の大内義昭君が、先月の5月22日に亡くなりました。55才でした。
 大砲ラーメン忘年会・大内義昭ディナーショーで大いに盛り上がった数日後の、昨年1月に食道ガンが見つかり、その後手術。幸いにも手術は成功し、術後の経過も良いということで、私はゆかりの友人たちと見舞いに行きました。彼は、痩せてはいましたが顔色も良く、昔の思い出話で大いに盛り上がるほどの元気もありました。その後一旦退院したときなど、東京のスタジオで、ピンクレディーのケイちゃんと「愛が生まれた日」をレコーディングしてきたと聞き、私はその回復ぶりを心から喜びました。しかしその後、ガンの転移が見つかり再入院。あとは回復の兆しをみることもなく逝ってしまいました。
 今回、彼の話しを書くことにためらいがありました。私自身、心の傷がまだ生々しく、気持ちが高ぶりすぎて悲惨なコラムになることを恐れたからです。いま、あえて淡々と書く努力はしていますが、やはり、出会ったころの彼の、「目前には夢にあふれた道があるのみ。若いエネルギーはその道を全力で疾走する」、そんなキラキラした姿が次々とよみがえっております。

 また彼との逸話が生まれました。最後の逸話です。それは、大砲ラーメン主催の大内義昭ディナーショー、これが彼のラストステージになってしまったということ。そして、そのステージで最後に熱唱してくれたラーメン侍のエンディング曲が彼の遺作となったこと。
 その曲の名は「思い出は少し光って消えてゆく」。
 
 大内義昭君のご冥福を心よりお祈りします。